上 2016年8月撮影
下 2011年7月撮影
金寿し地魚定の海鮮丼(焼津市)
数年ぶりに焼津の海鮮丼を撮影しました。
メニュー名は海鮮丼ですが、寿司桶が器に使われています。これは、店主がネタをすべて見せたいということでこの盛りつけになったそうです。
どちらの写真も撮影したものは同じですが、上のカットは40代以上の読者に向けた企業が発行する情報誌に向けたもの、下のカットは10代以上の女性を中心とした読者を持つ旅行情報誌のための撮影でした。
どちらも写真を通じて、「焼津は鮮魚が有名(とくに鮪や鯖)」あるいは「美味しそう、食べてみたいなぁ」と思ってもらえることを目的としていますが、掲載する媒体の読者層を意識して撮り方を変えています。
見比べてみるとすぐに気がつかれると思いますが、上の写真はネタの真上に照明を設置することで、ネタそのものの情報量(色や形の正確さ)を増やすことを重視し、下の写真では器の奥に照明を設置して器が置かれた状況も意識して撮影しました。
言い換えれば、上は目で読めるような写真をつくることを目指し、下は、写真を見たときに器のまわりの様子も想像してもらえるような写真を撮ろうとしています(畳なども写し込むともっと良かったと思います)。
いずれのカットもこのワンカットに掛かった時間は撮影準備に7~8分、撮影時間は2~3分の規模の小さな撮影ですが、こうしたことを意識するだけで、より写真の使用目的に近づけることができそうです。
余談ですが、こちらのお店のシャリは赤酢を使って、ほんのり色がついているのが特徴です。
食べてみるとシャリが口の中でほろりと崩れ、それがネタとうまく絡んで、僕にはとても美味しく感じられました。