今日は、浜松に拠点がある
工務店さんの住宅撮影(リンクは別日のもの)。
「家を建てるときに読む本」やフリーマガジンの「住まいラボ」に関連して、撮影をさせて頂いています。
とても、エネルギッシュな工務店さん。
そのお客さんの多くは、「こういう家を建てたい」というビジョンが明確になっていて、いわゆる顧客満足度は、とっても高いのだろうと思います。そうでなきゃ、お客さんと親戚みたいに付き合えないだろうと思う。
それと、礎になっている職人さんたちのケアにも力を入れているみたい。
実例撮影の現場では、施工にあたって気付いたことを施主さんから直接、担当者が聞きながら、次に繋げていく努力もしている。
取材の間、厳しい言葉が出なかった訳ではないけど、それも含めて、施主さんの会社に対する信頼感を感じます。
親友だから、殴れるだろ?的な、基本の「き」。
もちろん、こう書けば、同じことをしている工務店さんは、きっと他にもあるという意見はあると思うし、僕もそれを見ています。
ただ、そのことを表現しようとする事については、「匿名性」や「自律」、誤解を恐れずにいえば、「保守」を重視する方向とは異なって、現在の状況を加味した上での、ダイレクトに人と接する方向が強いように感じます。つまり、それは結果として遠くへも届けたいという想いにつながっていくのかしら(もしかしたら、前にも同じようなことを書いたかもしれません)。
あるいは、それが、営業の本質なのかしら。。。
話をして、合わなければ、合わない。
話さないより、話した方が余程良いし、その上で、出来ることと出来ないことは、当然ある。誰にもある。
この会社の方と接していると、自信をもつことのひとつって、こういうことだなって感じます。
さて、その取材の後。
久しぶりに、新金谷駅に行きました。
住宅の撮影を終えて、帰路についた時、そうだ!
この住宅用に設計されたレンズで、列車を撮ったらどうなるのだろうと急に思い立ちました。
住宅撮影の中でも建物そのものを撮影する時は、遠近感とカタチがもっとも美しくなるように構図を組みます。
具体的には、水平線、垂直線を安定させた上で、遠近感をコントロールする。
専門用語では、「アオリ」と呼ばれるものです。
もちろん、あおらなくても撮影出来る条件も多数あるので、すべてがそれではありません。
そんなわけで、試したのが上の写真。
カメラが持っているダイナミックレンジ(最も明るいところから、最も暗いところを表現する能力)にあう光の量をセンサーに入れつつ、住宅と同じように撮ってみました。
今回の撮影意図に照らし合わせれば、これが、人の目で見たときに、ダイナミックな風景でありつつも自然に見えればそれは合格。
不自然に見えれば、不合格。
住宅撮影も鉄道撮影も、当事者はよりよく美しくと考えるけど、見る人にとっては、それは、自然溢れる魅力在るモノでなければならないと思う。考えてみれば、鉄道博物館の図録に掲載されている御料車の室内写真は、この考え方の総本山だなと思ったり。
良い写真の中心には、必ず人がいる。
技術って、それを実現するもの。そんな風に、今は、考えています。