これは、ちょうど今、街中に並んでいるwomoの10月号の特集ページ。
誌面の内容は、
副編集長のブログにお任せするとして、ここでは、このページの撮影裏話をご紹介します。
まずは、このページの元画像。
えらくスッキリした写真であることがわかります。
つまり、これは、鑑賞のための写真ではなく、あくまで誌面のために撮影したものだからです。
簡単に手順を書きますと・・・
まずは、企画主旨によって書き起こされた手書きの誌面(ラフ)に基づいて、おおよそ、どのようなパンがいくつくらい来るのかを聞いておき、ライトの構成を考えます。また、背景色を編集者と考えます。
背景はピンクに決まり、今回は、少しメリハリの利いた光を入れることを念頭に置きながら、組むことになりました。
これは、パンの質感、特にエッジがよくわかるようにするためと、紙の質を気にしてのことです。
たとえば、光沢紙のような紙であれば、もう少し柔らかい光でも良かったかもしれません。
この作業と平行して、編集者と文章を書くライターさんが、撮影するパンを集めています。
真夏でしたから、ライターさんはクーラーボックスを用意してお店を回ってくださいました。
今回は、ケーキも撮影するのでクリームがとけないようにするためです。
さて、ここから慣れが必要なのが、撮影する写真の上に、どのくらいの文字量が来て、どのような装飾が入るかを大まかに想像して構図を決めることです。
タイトル文字や見出し文字の大きさ、注釈文字の大きさと位置決めはデザイナーと呼ばれるスタッフが行うのですが、彼らが撮影現場に来ることはwomoでは稀。そこで、この現場では編集者、ライター、カメラマンの三者で相談しながら進めることになりました。
この状況で、デザイナーが文字が置きやすいように空間を作りながらパンを配置します。
具の見え方、葉がついているものは、その状態、割れや欠けなどを確認して、交換した方がいい場合はスペアにチェンジ。
今回は、写真を優先してもらえましたので、実際は、パンとパンの間隔に合わせた文字原稿を書いてもらっていると思いますが、はじめから文字量が決まっている場合は、それに合わせた構図を決めていくことになります。
また、忘れがちなのが、写真の縦横比とwomoの縦横比が異なるところ。
そのため、背景を広めに撮影して、デザイナーさんが作業しやすいようにしておきます。
後行程のことを気にしておくと、みんな楽になるはずです。
このようにして撮影したパンのページの写真。
今回、僕は、デザイナーさんとは一度も顔を合わせずにページが完成していました。
デザイナーさんの作業負担が本当に少なくなっていたかどうかは、正直わからないのですが、気になるところ。
機会があったら伺ってみたいと思います。
ところで、このデジタル全盛のときに、どうしてパンを一つずつ撮影して合成する方法を採らないのか?
答えは、簡単。
同じものを作るのであれば、この方が全体の作業時間がとても短く、効率的だからです。
カメラは最新のデジタル一眼レフカメラを使用していますが、やり方は結構アナログ。
段取り8割、現場2割(笑)
この投稿が何かの役に立ったら幸いです。